好きな女。

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好きな女。

夏休みの間、 合気道の道場と 『studio HAYATO』と 圭吾先輩の家に入り浸りだった。 圭吾先輩に彼女がいるのを教えてもらった。 1コ上の可愛らしいヒト。 「お前は?」 そう聞かれどう答えればいいかわからなかった。 中学に入り、男女別の行動が当たり前になり 好きな女 なんて話題をよく耳に入るようになった。 好きな女 いて当たり前なのか? 先輩の問いに 「好きな女は、いません。」 そう答えた。 嘘は言っていない。 先輩は 「そうか…… で、お前のキモチは誰に向いてるんだ?」 誰にも言えない…… 教えない。 あのヒトに迷惑をかけてしまうから。 「圭吾先輩、秘密ですよ? オレ、 バカみたいに1人のヒト想ってるんで。」 そう 答えるのが精一杯だった。
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