Tシャツ。

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Tシャツ。

2人は可愛くて…… 仲良くなりたいと思った。 自分の容姿なんて気にした事のない 幼児が 音楽教室の日だけは自分で選んだ お気に入りの服を着ていくようになった。 「コウちゃん? スヌーピーのTシャツ可愛いね?」 「コウはカッコいいのに 可愛いTシャツ似合うんだな。」 そんな言葉を2人は僕にくれた。 僕は嬉しくて 嬉しくて 嬉しくて…… 「イク君、ミキちゃん ありがとう。」 そう返すのが精一杯だった。 「コウ、こっち来いよ。」 イク君は右手を僕に差し出した。 「いいの?」 「コウ?」 「僕もイク君と 手、繋いでいいの?」 「当たり前だろ? ほら。」 僕は真っ赤になりながら イク君と手を繋いだ。 その日から イク君の左手にはミキちゃんの手。 イク君の右手には僕の手。 3人で手を繋いで歌をうたった。
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