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別れ。
母さんに、合気道教室じゃなくて
音楽教室がいいと何度も訴えた。
「音楽がやりたければ他でやらせてあげる。
だから
合気道教室に通いなさい。」
何でこんな悲しいキモチにならなきゃ
いけないのか
5歳の僕には分からなかった。
音楽教室最後の日
僕は悲しくて、淋しくて音楽教室に行きたくなかった。
「ちゃんと、ありがとう言いなさい。」と
母に手を引かれ行った。
「コウ?」
そう言ってイク君は右手で僕の左手をとった。
そして左手は
僕の背中に回された。
ぎゅっとされてドキドキした。
そして
僕の頬に ちゅっ と口づけてくれた。
僕はドキドキと顔の熱さに驚いた。
「コウ、大好きだよ。
コレ、後で見て。」
イク君はそう言って封筒を渡してくれた。
「コウくん、ミキからも」
そう言ってミキちゃんは
イク君に抱えられている僕の頬にキスをした。
そして封筒を渡してくれた。
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