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この人は何を言ってるんだ。と思った。私だって晃太のことは好きだったけど、今更すぎるだろう。すると、電話が鳴った。元彼からだった。
「もしもし、、あのさ、家、買うから。、、悪かった。全部無かったことにしたかったんだ。お前の仕事かわったやつがなんでお前が辞めたんだって聞くから話したら家は買えっていわれた。」
「うん。わかった。じゃあ書類送っておくね。じゃあ。」
まだ何か言いたいことがありそうだったが、あっさり切ってしまった。そのまま息を吸って吐くと、私は前を向いた。
「晃太、明日朝、迎えに来てくれる?日曜日だし、映画でも見に行きたいな。」
「うん、わかった。」
真っ直ぐ大通りをタクシーは進んで行く。外にいる人たちは相変わらず楽しそうだ。光はもう滲んでいなかった。いつもより街が綺麗に見えた。ここからまた始めよう。そんな冬の夜だった。
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