アクトレス・ばあば

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「えぇ……なんで?」 私は興奮ぎみに彼女に言った。 「私は使用人兼付き人です! 付いて行く義務があります!」 「うーん……」 納得いっていない彼女に私はさらに続けた。 「それに! 私は奥様のファンなんです! お稽古が見たいんです! いや、見させてください!」 そこまで言うと彼女はにんまりとした。 「そこまで言うなら……」 照れくさそうだ。私も微笑む。 「すぐに支度するんで! あっ、外は寒いですし、奥様もコートを……」 こうして、私たちは慌ただしく支度をした。いつもみたいに。
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