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待ち合わせ。
朝から
コウと待ち合わせをした。
今夜
「studio HAYATO」に
出演するらしい。
「ノブと同じ学校が良かったな。
そしたら、ずっといられるのに……」
コウが嬉しいコトを言ってくれる。
「ありがと コウ。」
俺と違って、極端な人見知りのコウは
友達を作るのが苦手だ。
でも一度気を許すととことん仲良く出来る。
……俺には出来ない事だ。
「どっかで ブランチしてから スタジオに
行こうよ?」
「いいよ。」
返事をしながら横を見ると
コウがいない。
慌てて振り返る。
…………立ち止まる
コウの顔色が真っ青だった。
「コウ? 何、幽霊でも見たの?
お前、真っ青だよ?」
コウの視線の先には
ラブホから出てきたばかりの
イクとミキの姿があった。
「朝から、妬けるな?
今夜、スタジオ来てくれるかな?」
「コウ? どうした?」
「……ごめん。
やっぱり、イクとミキって……。
ああいう仲なんだぁってびっくりした。」
「だよな?
彼女なしの俺らには、無縁の場所だな?」
「カフェ行こう。」
話題を変えたコウは
男女のアレコレが苦手なのかもしれないと
思った。
朝から見た
ミキは
今日もキレイで可愛らしかった。
ミキの隣りは
イクの指定席。
ミキを見られただけで
ラッキーデーだ。
遠くに離れて行く
2人の背中を見ながら思った。
なぜか
昨日初めて会った
楠木に会いたくなった……。
あいつの優しさは
あったかい。
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