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郁弥。
駿くんと一緒にいたはずなのに
いつもと変わらない
心地の良さに
違和感を覚えた。
「美月? おはよう。」
僕は優しい
郁弥の腕の中にいた。
……苦しい。
でも
離れたくない。
「美月。 聞いてくれる?」
僕は背中に郁弥の温かさを感じながら
頷いた。
「俺、美月の事。
スゴく大切なんだ。
その気持ちが甥っ子としてなのか、
恋愛なのか、
わからない。
でも、どんな形であっても
俺が美月から離れていくことは
絶対に無いんだ。
不安にさせてゴメン。
俺も自分がよくわからないんだ……。
けど
美月の事、愛しいと思う気持ちは
今までもこれからも変わらないよ。
美月?
俺、これからも美月の事
傷つけちゃうかもだけど……
美月が俺を嫌っても
俺が美月を嫌いになる事はないから。
美月、心配かけて……
不安にさせてゴメン。」
郁弥が話す度に
僕のうなじに郁弥の息がかかる。
それさえも独占したい僕がいる。
郁弥は僕を
大切だと言ってくれた。
愛しいと言ってくれた。
今はその気持ちに
溺れるしかないのかもしれない。
僕も
郁弥も
自分のココロが
よくわからないのだから。
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