君色

編入生。

中高一貫校。

だから入学式はない。

始業式当日、編入生だと紹介された。

当然の事ながら
友達グループは出来上がっている。

以前から他人と打ち解けるのが苦手で
どこか世の中を冷めた目で見ている
オレにとって
友達はどうでもいい事のように感じていた。

だからきっと上手くいくと思った。

「楠木、河野の面倒見てやってな。」

担任がオレの前の席のヤツに声をかける。

「はい。」

そいつは小さく返事した。

「悪いな。迷惑かけるわ。」

「イヤ。平気だから。」

放課後、学校の案内をしてもらうコトになった。