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女の子？
長いコト風呂に浸かって
楠木の身体がピンクに染まり始めた。
「頭、洗ってやるよ。」
バスタブから上がり楠木を座らせた。
楠木の顔を未だ見た事はないけど
そんな事はどうでもよかった。
俺の寂しい気持ちを認めさせてくれて
やっと泣く事ができて……
自分の気持ちに正直になれた。
楠木は俺にとって特別だ。
楠木の茶色くて少しクセのある柔らかい髪にシャワーをかけた。
シャンプーしてコンディショナーつけて
前髪が長いから後ろにかき上げた。
初めて見た楠木の顔に息をのんだ。
ビー玉みたいにキレイな瞳。
アゴのラインがキレイな小さい顔。
サクランボみたいな可愛い唇。
女の子？
全身のキスマーク。
本当に襲われてないのか心配になり
もう一度聞いた。
「楠木、本当に襲われてない？」
「ん。ゴメン心配かけて…コレは……」
楠木をぎゅっと抱き締めて
「言わなくていいよ。」と伝えた。
楠木は小さく
「ゴメン」と呟いた。
風呂から出た後も
楠木は前髪をピンで留めて
顔を隠さなかった。
学校で
太いフレームの眼鏡と
長い前髪で顔を隠す楠木。
俺の前でソレを出してくれるのが
『特別』みたいで
嬉しかった。
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