半分こ。

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半分こ。

もう夜中だったけど 二人でダッツのアイスを食べた。 「どっち食べる?」 「ん。半分こがいい。」 楠木の発言が可愛くて仕方ない。 皿を持ってきて半分ずつ盛り付けて 楠木に渡した。 「ありがとう。」 二人で黙ってアイスを食べた。 歯磨きして ベッドに楠木を連れてく…… 「河野……僕、ソファでいいよ。」 「……楠木、布団が1組しかないんだ。 狭くて悪いけど、俺と一緒な?」 「……ゴメン。ありがと。」 二人でセミダブルのベッドに入った。 楠木の涙の理由はまだ分からないけど 独りにさせちゃいけないのは知ってる。 楠木の身体を背後から抱き締めた。 驚いたように身体をピクっとさせたが 少しして安心したかのように 寝息が聞こえた。 楠木の寝息を子守唄に俺も眠りについた。 日曜で特に用事もなかったから 目覚ましのセットはしなかった。 6時半…… いつもと同じ時間に目覚めた。 寝ている間に体勢が変わったのだろう。 楠木は俺の胸に顔を埋めて眠っていた。 長い睫毛に触れてみたいと思った。 「おはよう。楠木。」 「ん?おはよ。……ゴメンっ。」 楠木は真っ赤になって俺から離れた。 可愛い。 「朝、ご飯食べよ? 手伝って?」 「うん。」 二人で洗面所で顔を洗ってから キッチンへ行った。 楠木に目玉焼きとウインナーを焼いてもらった。 その間に俺は トーストとコーヒーにサラダを用意した。 友達との朝はお互い始めてて 何だか恥ずかしいねって話した。 「楠木、ここには好きなだけ居ていいよ。 ただ、家の人に連絡だけいれて?」 「ありがと。」 河野の言葉に甘えるコトにした。 駿くんに 『しばらく学校の友達の家に泊まります。 父さんにも後で連絡入れます。 心配かけてゴメンなさい。』とメールした。
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