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美人なヒト。
午後、ノブと一緒にウチに帰った。
「なぁ、美月。お前んち何?
何でこんなデカイの?」
「ウチ? ん~そぉ?」
「親、何してんの?」
「何だろ? 聞いたコトないし。」
「えっ?
親の仕事知らないヤツ初めて見た。」
「ノブ……意地悪言わないでよ…。」
「ゴメン。」
門から玄関までそんな話しをした。
美月はドアの前で手を伸ばして……
止まってしまった。
家の中からパタパタと音がしてドアが開いた。
「美月、おかえり。」
俺はたぶん相当な間抜け面をしていたと思う。
この世の中にこんな美人なヒトが存在していいのか?なんてバカな事を考えていた。
「ただいま。父さん。」
「ん。美月、お友達?」
「うん。学校の友達で河野 信夫くんだよ。
昨夜泊めてもらって……。」
「そっか。いらっしゃいシノブ君。
どうぞ中入って。」
今、何て言った?
『父さん』て聞こえた?
「美月?お父さん?」
「うん。そうだよ?」
『父さん』には見えないけど
美月の家族だからと思い直し
慌てて挨拶をした。
「こんにちは。俺、河野 信夫です。
高校から美月くんと同じ学校に通う事になってお世話になってます。
昨夜はご挨拶もしないまま美月くんを泊めてしまいスミマセンでした。」
美人を目の前に緊張しまくり
変なお辞儀になってしまった。
「シノブ君、上がって。
ほら美月が入らないとシノブ君入りにくいよ?」
「ノブ、こっち…」
そう言って美月は俺の手を取った。
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