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学校案内。
始業式の後、2時間目から
普通に授業。
編入時に学校側から説明を受けていたものの
随分と授業が進んでいる。
ホームルームの後、楠木に学校の案内をしてもらう約束だ。
「楠木、悪いけど少し待っててくれる?」
楠木は黙って頷いた。
瓶底眼鏡のせいで表情がわからない……。
「悪いな。」
もう一度声をかけると
楠木は首を横に振った。
「池田先生~」
「どぉした?」
「先生、
俺 中3に編入した方がよくない?」
「ん? ついていけないか?」
「ん~ていうか
1年分、丸っと進んでるからさぁ。」
「そっかぁ~
じゃあ中3のテキスト用意しとくな。
楠木に案内してもらうんだろ?」
「はい。」
「じゃっ、
それ終わったら職員室寄ってな。」
「ありがとうございます。」
楠木は俺を待っててくれた。
「お待たせ。案内頼んでもいいか?」
「行こ。」
楠木は小さい声で返事した。
体育館
図書室
移動のある特別教室
食堂に売店
学校生活に困らない設備が整っている。
一人暮らしの俺には心強い。
案内の間 楠木は
ゆっくりと俺の歩調に合わせてくれた。
楠木って……やっぱり小型犬みたいだ。
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