いいヤツ。

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いいヤツ。

楠木のスマホがマナーモードで ジージーといっている。 「悪い。」 そう言ってスマホを操作する。 メッセージが届いたようだ。 あっ また少し口角が上がった。 俺の最寄り駅に着いた。 スクールバックを肩に背負い 紙袋を2つ持とうとした…… 楠木が立ち上がり 紙袋を1つ持っていた。 「楠木、お前の駅まだ先だろ?」 「ん?手伝うよ?」 「今日、金曜だぞ?」 「あぁ。 夜まで時間空いたから気にしないで 大丈夫。」 そう言いながら 俺と一緒に電車を降りた。 駅の改札を抜け アパートまで2人で歩く。 楠木はやっぱり俺の歩調に合わせて 歩いてくれる。 アパートに到着し 楠木に入るように促す。 「お邪魔します。」 楠木は靴をきちんと揃えてあがった。 根っからいいヤツなんだと 思った。
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