彼女。

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彼女。

イクが奥のイスに座り オレを右隣りに座らせた。 「お前らも座れば?」 いつもの柔らかいイクに戻ってる。 メニューを広げ それぞれが注文していく。 「コウ?俺が決めていいの?」 俯いて頷いた。 「じゃっ オムライスとドリア。 シェアしよ?」 「うん。」 注文の品が届き 食事を始める。 イクはオレの口に オムライスの乗ったスプーンを運ぶ。 キレイな顔がオレを見る。 恥ずかしい。 嬉しい。 感情が上手くコントロールできない。 きっとオレは真っ赤だ。 オレらの様子を見てた1人が口を開く。 「なぁ イク。 お前が剣持を気に入ったのは分かった。 彼女どうすんだよ。」 「あっ?」 「そうだよ。キクヤンの言う通り。 イク、彼女いるだろ?」 「彼女?」 「ミキちゃん。」 「ミキか……」 「剣持の事を責めるつもりはないけど イクの態度見てると俺らでも妬ける。 彼女ならもっとじゃねぇの?」 「大丈夫だよ。」 この話しはお終いというように イクは『大丈夫』と言い切った。 変わらないように見えるイクの態度。 でもオレには怒っているように感じた。 ドリアをスプーンに乗せ オレの口に運ぶ。 「ミキの事は気にするな。」 小さな声でイクが呟く。 「ん。」 イクの左手、左側は ミキのモノ。 そんなコト お前らより知ってる。 でも オレは 離れない。
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