ガラの悪いセンパイ。

2/2

77人が本棚に入れています
本棚に追加
/110ページ
「コウ? こっち来いよ~空いてるよ。」 一番奥の席から声がした。 センパイたちの目が一斉に入り口に立つ 一年生に注がれる。 オレはイクの手を引いて 奥の席に向かった。 「コウ、やっと高校来たか~ 淋しかったぞぉ」 「圭吾、オレやっと入学した。」 「ん。」 圭吾はオレの隣りにいるイクを見ている。 「もしかして『b-moon』のイク?」 イクは圭吾にどんな感情を持っているのか、黙ったままだ。 「イク?」 イクの顔を覗く。 途端にイクの顔がクシャっとした笑顔になった。 「『4's』の皆さん、こんにちは。 イクです。 でも……友達、知り合いには 俺の活動言いたくないので 皆さんの中だけに留めてもらえますか?」 「もちろん。 コウの友達のイク君。」 圭吾は右手を出し握手を求めた。 イクの右手はオレに繋がれたままだ。 「イク?」 もう一度イクの顔を覗く。 「ん。」 オレの手を離し 「圭吾さん、凪さん、陸さん、空さん よろしくお願いします。」 そう言って『4's』のメンバーと握手した。 「ところで、入り口の友達は?」 圭吾が不思議そうに言った。 「あぁ 俺の友達です。 圭吾さん、隣りの席来ていいですか?」 「もちろん。」 「圭吾、オレまだ…その…」 「圭吾さん。 まだコウ、アイツらに慣れてないので 態度変かもだけど……すみません。」 「あぁ。コウを傷つけるなよ。」 「はい。俺が全部から守りますんで。」 「ん。任せた。」 イクと圭吾の話しをぼんやり聞いた。 よく分からないけど 2人には何か通じるモノが あるらしい。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加