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「いいえ。」
「(あぁ・・・このネタは、ふられたくない訳ね。)」
青年の質素な答え方で〝話したくない話題〟だと理解した。
「2人とも、仲良しだねぇ。ほら、味噌ラーメンとおにぎり出来たよ。」
「いただきまーす。」
青年になにかを言われる前におにぎりを頬張った。
「ほら、お兄ちゃんも冷めないうちに食べな。」
「はい。頂きます。」
ラーメンに口を付ける。
》 》
あの頃の私は、本当に食事と睡眠に時間を割かなかった。否、どちらも摂らなくても平気だった。
あの子に出逢って少し日常が変化を帯びるまで私の世界には、味や匂いや色が欠けていたのだろうと今なら判る。
《 《
「先輩。いいことありました?」
青年との思わぬ夜の食事から少しずつ仕事の手際が戻ってきていた。
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