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◆6◆ 年下の男の子
〝愛〟をなくし足踏みをしていた私を苦しめたは、自分自身だった。些細な同僚との彼の会話の端々に私が得られなかった〝倖せ〟が垣間見えたからだ。
上向きのつもりが実は、全くの逆向きだったのだ。
《 《
この頃ようやく知ったことがあった。
体調の変化は、気分と比例するんだということ。それを身に染みていた。
「若狭、顔色が悪いぞ。」
「大丈夫よ。ただの寝不足だわ。」
「早退したら?」
「大丈夫だって、言ったでしょ。鈴村くんが居ない間、私が仕事を代わってあげたのよ。」
からかうつもりで口にした。
「ごめん。無理させてたんだな。」
「(なんで、謝るかな・・・)」
心の中では、なんでも言えた。口には、出せない。
「俺が仕事代わるから休んでいいぞ。」
「大丈夫よ。冗談も通じないのね。」
にっこり笑い場を凍らせないように会話する。
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