◆6◆ 年下の男の子

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    あの子は、そんな子だった。  《 《 「月依。」  店に入るなり機嫌の悪い声が飛んで来た。 「久しぶり。」  にっこりと笑って受け流す。 「お前に飲ませる酒は、ないぞ。」 「もう~いつまで根に持ってるのよ。」  コートを脱いでいつも通りにカウンターの端に座る。 「あれ~燵夜くんは?」  カウンター内を見るとあのアルバイトくんが見当たらない。 「今日は、休みだ。」 「あれ、残念。」 「なんだ。燵夜、目当てで来たのか?」 「妬けちゃう?」 「馬鹿。あんなガキと張り合う年だと思ってんのか?」 「残念。」  ニコニコしながら素っ気なく出された水を一口飲む。 「顔色悪いな。」 「何よ、みんなして!」  急に確信を突かれた気がしてついムキになってしまった。 「誰かにも言われたのか。」   
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