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「あの・・・怪我をされたのは?」
「あぁ、彼女です。」
「判りました。では、乗って下さい。」
「救急車まで・・・」
「いいから、乗って。怪我を診てもらわなきゃ。」
「判ったわ。じゃあ、ありがとうね。」
「いいえ。」
手を振って救急車に乗り込むのを見届ける。
「あの、同乗してくれませんか?」
「いま、上司が来るので。」
「判りました。」
「燵夜くん、〝上司〟って?」
ストレッチャーに横になりながら言う。
「マスターにメールした。すぐ来るよ。」
「ねぇ、なんか勘違いしてる?店主と客の関係よ。」
「俺より月依さんを知ってる人を呼んだだけです。」
そつなく返す。
「来ました。」
「悪い悪い。閉店準備に手こずって。」
「いいえ。病院へ付き添いお願いします。」
「判った。ありがとうな。」
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