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「判れば宜しい。寒いから早く行くわよ。」
明らかに元気をなくした青年の腕を掴んで再び歩き出す。
「(失敗、した・・・)」
自分に掴まっている女性は、見下ろせる背丈が愛らしく瞳に映る。
「あっ、ほらほら。今日もやってる。」
しばらく歩くと喜々とした声がしてハッとした。
「月依さん・・・いま〝今日もやってた〟って言いました?」
赤提灯を見付け気になる言葉を訊き返す。
「え?」
「毎日やってるから誘ってくれたんじゃないんですか?」
「ああ。ゲンちゃんの屋台は、不定休なの。行きましょ。」
困惑する青年をグイグイ引っ張られてのれんをくぐる。
「ゲーンちゃん!」
「おや、月依ちゃん。久しぶりだなぁ。」
「うん。今日は、のれん下げていたのね。」
言葉を交わし椅子に座る。
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