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 少し迷うような沈黙の後、真がぽつりと問う。 「どうして相談しなかった。私は頼りないか?」 「まさか。充分、良くしてもらってるよ。でも忙しそうだから、邪魔になりたくなくて」 「何を言ってるんだ。これは、お前のためだと言ってるが、全部、私のエゴだ。ただの欲だ。お前と一緒にいたいし、生きていて欲しいし、可能ならいつか触れあいたい」  真は大樹の左手を握りしめて、罪を告白するかのように吐露する。 「お前を傷付けるものは許せない。私はまだ赤ん坊だったお前を見つけた時、絶対に守ると誓った。――それまで親のレールに沿って生きていくんだと、つまらないと思っていたのに。あの日から、世界は一変した。お前といるだけで、世界がこんなに輝く」  大樹の目が熱くなった。頬に湿った感触がする。 「こんなふうに誰かのためになる仕事ができているのは、お前のお陰だ。私の研究はお前だけではなく、大勢を救うだろう。――お前の功績だ」 「何それ、そんなわけないじゃないか。僕はここにいるだけなのに」     
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