第18話 理不尽な賭博

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事務所からの移動中に、福富は車の窓から外を見ていた。 これからの事を考えれば、地獄絵図しか浮かばないはずだが福富は違った。 彼は生き残る事しか考えていなかった。 ……とりあえず場所さえわかれば、携帯で位置を知らせられる。 それからどうするか……。 相手の数も気になるな。 こいつは……おそらくゲームだ。 九能という情報屋があちらにいるのなら、おれ達の居場所を見つけるのはそう難しい事じゃない。 皆殺しにするのだって簡単なはず。 おれを呼び出した理由は……金か。 奪ってから殺す気ならスジは通る……。 気になるのは八尋って奴だな。 桐野の専属の犯罪コーディネーター。 福富は、目を閉じてさらに思考を巡らせる。 この状況、おれが奴ならどうする? 考えろ、考えるんだ。 ともかく現状は桐野はワンサイドゲームだと思っているはず。 そこに必ず隙ができる。 福富を乗せた車は、桐野と東の待つ港倉庫に到着した。 入口でセットアップジャージ姿の男達にボディチェックをされ、所持品をすべて取られる。 身体を調べられながら福富は思う。 ……当然こうなるよな、少し甘かった。 そう思いながら中に通されると、桐野が出迎えた。 「福富、よく来たな。まぁ飲め」     
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