第18話 理不尽な賭博

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「お前それ誰にでも聞いてんのか? 気持ちわるっ! でもな、喜べ福富、こいつは本が大好物だ」 そう言われて、福富の無表情の口元が緩んだ。 こいつが六車か……。 復讐屋の話は聞いていたが……。 対面して福富は思う。 新庄からは、目の前にいるだけで恐ろしい威圧感のある男だと聞いていたが、どうも雰囲気が違うな。 その姿は、穏やかで、それでいて媚ている感じはなく、まるで英国紳士のように気品がある。 「六車くんと……戦うのか」 「うん? 知り合いだったのか?」 福富が聞くと、東は俯いて言う。 「いや、ちょっと、さっきふたりっきりの時に、本の話で盛り上がってね……」 「そういう事か……」 これは使えるかもしれない。 いや、甘いか、と福富が考えていると……。 「そろそろ始めようぜ」 桐野が待ちきれない様子だった。
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