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「違う、どう考えてもおれの方が弱いでしょ。そういう意味じゃなくて……」
「おれもあんたをやりたくない……が、これ以外の生き方を知らない。悪いがお互い覚悟を決めよう」
そんなやりとりの中、福富は二階の窓際にいる八尋と九能に気が付いていた。
……あれは情報屋の九能。
横にいるには、おそらく新庄が言っていた男……八尋って奴だな。
文字通り高みの見物というわけか、ふざけやがって。
見上げながら思う福富。
「これが終わったら必ず落とし前をつけてやる」
そう小声で言うと、福富の顔が歪んだ。
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