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威圧されたのか、長井は俯いて答える。
「えっ? ……いや、あまり読まないです」
「あ、そう。あんた他でもつまんでいるみたいだね。どう? あんたの借金をうちで一本化しないか?」
「えっ!?」
「仕事も紹介するし、住むとこも面倒みる。そしてちゃんと返せるようプログラムを組む。時間はかかるかもしれないが、必ず返済できるようにするよ」
「本当ですか?」
嬉しそうにする長井。
福富は淡々と聞く。
「あぁ、でも、あんた次第。決めるのはな」
「お、お願いします!!」
「よし、じゃあ契約書にサインを」
「ありがとうございます。ありがとうございます」
長井はもう一生分は頭を下げていただろう。
長井が帰ると、その後は事務所を出て、予約していた焼肉店へ向かう。
みんな、福富が社長になったのが相当嬉しかったのだろうか、かなり盛り上がっていた。
新参者の東はただ笑って飲むしかなかった。
そんな飲み会も終わり、みんなが帰った後、福富に付き合わされる東。
帰り道で、東は福富に言う。
「なんか福富くんの仕事を誤解してたみたい」
「誤解?」
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