第1話 再会の葬式

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――今日はこれから葬式だ。 少し前に海外にいっていて、日本を出る前にお世話になった人が亡くなった。 東京都世田谷某所。 何年も袖を通していなかったスーツで出席した。 葬儀場かなり大きく、葬儀参列者達の波ができていたので問題なかったが、もし誰もいなかったら広すぎて迷いそうだ。 会場には、いかにもな強面の集団や、水商売風の派手な化粧をした喪服の女性達、上品な黒を纏う老婆、セーラー服やブレザーを着た女の子達などが大勢いる。 幅広い年齢の女性が多いのを見ると、あの人らしいと、少し笑えた。 まぁ、式には出るつもりではいたけど。 正直いきたくなかった。それは……。 「おいっ!? あの色白……まちがいねぇ……奴だ」 線香をあげて帰ろうとしたら、数十人くらいの強面の集団に囲まれた。 喪服姿の男達はこちらを睨みつけて言う。 「よく来れたもんだなぁ。あぁっ!! コラァ!!」 昔の不良漫画みたいな台詞が飛んでくる。 なんだこれ?ずいぶん色気のないファンタジーだな。 はぁ……やっぱり来なければよかった。 男達がジリジリと近づいて来る。 その時、緊張感のない大きな声が聞こえた。 「は~いストップ!! 酷いなぁ。相手はひとりだよ、こっち何人いるの?」     
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