第1話 再会の葬式

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福富優一。 この式で眠っている鳥居仁さんの部下で、個人的にあまりいい思い出がある人じゃなかった。 助かった……と思ったけど。 おれを探している? あの人とは色々あって会いたくないんだよ……。 とりあえずこの緑川という人にお礼を言おうと思った。 「あの……ありがとうございます。おかげで助かりました」 「おっ!? ちゃんとお礼言えるなんて偉いね。それにしても顔白いなぁ。女の人みたいな肌してる」 そう言って彼はおれの頬を優しく触る。 「おぉっ!!! すごい!!! スベスベで柔らかくておっぱいみたい」 その緑川という人のふざけた姿勢は変わらず。 しかしなぜか触れられてドキドキした。 おれはそっちの人間じゃない……いや、もしかして、いやいや、と自問自答していていたら……。 「悪かったね。彼らも悪いやつらじゃないんだけど……。まぁ、きみもよく来れたね」 そう聞かれ、何も答えられずに、ただ俯いてしまった。 「じゃあいこうか。福富くんが待ってる」 そして緑川と呼ばれる男に奥の部屋へ連れていかれた。 「連れて来たよ」 部屋には、無表情の男とさわやかな感じの男。それに髪の短い女がいた。 無表情の男が言う。 「わざわざありがとう、緑川くん」 「たまたま会えただけだよ。それじゃおれ帰るから」 「あぁ、今度焼肉でもどうだ?」 「肉好きだね~福富くんは」 そういって緑川という男は部屋を出ていった。帰り際にウィンクをして……。 無表情の男は声をかけてきた。 「久しぶりだな、(あずま)」 ……部屋に入った時は気が付かなかったけど。 無表情の男は福富くんだった。 「福富……くん? だよね? なんか全然変わっちゃってわからなかったよ」 「そういうお前は変わらないな。おい荒川、新庄、悪いけど二人にしてくれ」 福富くんが、2人を見て言った 「えぇ!!! なんで?いいじゃんあたし達いたって」 荒川と呼ばれた髪の短い女が、だだをこね始めた。 「いこう靖子、優一だっておれ達がいたら話しづらい事もあるよ」 新庄と呼ばれたさわやかな感じの男が、ポケットからカロリーメイト(チーズ)を取り出して、口に加えながら髪の短い女に言う。 「へっ」 「じゃあ優一、おれ達出るよ」 「あっ!! 福ちゃん。社長就任パーティーは焼肉でいいんだろ?」
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