第6話 幸福を守るため

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ふたりきりでの仕事も多いので自然と話すようになってはいたが、心許せる相手ではない。 福富に悪い事がなければいい……。 単なる勘ではあるが不安は常にある。 東は疫病神……。 そんな気がする荒川。 「あんな若作り30歳……考えるのヤメ。仕事仕事」 事務所に着いて、いつもどおり仕事。 今日は真奈美がいるからふたりきりじゃない。それだけでも荒川はずいぶんと気が楽だった。 「もうぉ~土曜も働くなんてトトロですよぉ~」 トホホだろ!? といつもの不思議ちゃん真奈美にツッコむ荒川。 トホホ……。 しょうもないセリフだが、真奈美が言うと場が明るくなる。 まぁ、トトロと間違えているが……。 「おはようございます。あれ!? 橘さん出なの?」 東が時間の10分前に来た。 真奈美が居て、驚いている東を見ながら、荒川は思う。 ……こいつは必ず10分前に来る。 まるで機械だな。 はっ!? もしや福ちゃんの作ったサイボーグってオチじゃ? ……いや、それにしては機能がショボすぎ。 なに考えてんだあたし……仕事仕事。 その横で、未だに下の名前で呼ばない事に説教をしている真奈美がいた。 「どうして呼ばないんですか!? これはチーム内のコミュニケーション強化活動なんですよ。ちゃんと呼んでください!!! じゃないとお菓子もうあげませんよ」     
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