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シリアスだが、ツッコミどころ満載の真奈美は無視して、荒川は困っている東を見ていた。
荒川は考える。
……あいつが困っているのを見るのは楽しい。
今日はたぶん21時くらいまでかかる。
仕事が上がったら三人で飲みにでもいこう。
福ちゃんならそうするはずだ。
ふたりが、いつまでも言い合っているので荒川は怒鳴る。
「不思議ちゃんにゲイ!! いい加減に仕事仕事」
真奈美は素直に返事をしたが、東はゲイはやめてくれよ。という感じだった。
……こんな言われっぱなしの男が、福ちゃんを変えたのかよ?
荒川は東を知るたびに、そう思った。
仕事は真奈美もいたおかげて順調に進んでいた。
この様子なら19時には終わるな。と思っていた時、休みのはずの草薙がやってきた。
「おまえら今日も働いてんのか? もう帰れよ、後はおれがやる。新庄も来るしな」
どうやら休んでいないメンバーを気づかって来たようだった。
荒川は思う。
……このじいさんと新庄は、適当に仕事しているのに必ず早く終わるんだよな。
まぁ、あたしより仕事量は少ないけど。
でも必ず手伝いに来る。
帰るように言われた荒川は、言葉を返す。
「いいよ、薙さんはもう年なんだからゆっくり休めよ。新庄にも来なくていいって連絡いれて」
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