第6話 幸福を守るため

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「まぁ、じじいになったらやめるよ。まだ定年じゃないしな。たまにはおれたち男にもカッコつけさせろ」 草薙はいつもこう言って、手伝う。 その言葉を聞いた東が話し出す。 「じじいなんて……。草薙さんには続けてもらわないと困りますよ」 「だから~なんでそうなんですか? 薙さんですよ!! そしてあたしの事は真奈美!!!」 真奈美のコミュニケーション強化活動を無視して、荒川は考える。 ……東はまるで昔から知っているみたいな言い方をする時があり、どうしようもなく腹が立つ。 こいつには、こういうズケズケしたとこがある。 福ちゃんはこういうところが好きなのか? 気にいらねぇ。 前にもこんな事があった。 福富が何気なく東に質問した時だ。 「東は彼女いないのか?」 「福富くんはいないの? なんか昔はとっかえひっかえのイメージだったけど」 「……昔の話だ」 「まぁ、英雄は色を好むって言うしね」 荒川は、そんな事で普段は無表情の福富が笑うのが許せなかった。 だが実際に、東が来てから福富は笑う事が増えた。 その時のやりとりを見た荒川は思う。 ……こんなゴマすりみたいなセリフで笑うのかよ。 東なんて、ただ顔が整っていて不器用に見せているスネ夫じゃねぇか、なにがいいんだこんなの? あたしから見ればスネ……いや、お世辞を言う屍だ。     
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