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「最初にその言葉を使った人物を、昔に授業で聞いたな。たしかジョン……なんだっけ?」
運転しながら聞く新庄に、福富が答える。
「ジョン・アダムズだ」
東はそれを聞いて思う。
……誰だ。
まったくわからないよ。
東は会話についていけなかった。
中卒にして猛勉強の末に社長になった男と、一流大学を卒業した男。
東は自分の学のなさを痛感していた。
東が新庄に話しかける。
「新庄さんもそういうの詳しいんですね。すごいなぁ」
「優一ほどじゃないよ。ただ授業でやっただけだから、そんな褒められるものじゃない。テストに出るものしか勉強してなかったしね」
前に聞いた荒川の話では、新庄は福富とは違うタイプのすごい男だったそうだ。
学生時代の成績は県内でトップクラス。
スポーツも万能で、インターハイに出る選手より体育の成績結果がよかったそうだ。
しかし本人は家庭の事情で部活はやらず、年齢を隠してアルバイトと勉強の日々。
そんな苦労人で将来が約束されている男だった。
荒川は新庄が福富のところに来た理由は知らないそうだが、聞かれたくない事もあるだろうと思い聞かなかったそうだ。
一流大学出のエリート……本人は自慢しないし、飄々していてわかりづらいけど、あいつは使える男だ。
荒川はそう言っていた。
「次はみんなで来るか?」
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