第7話 同期の桜

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さっきと打って変わり、とてもチャーミングな笑顔を見せて千草は去っていった。 その切り替えの早さに、できる女という感がある。 ……キツい目つきの美人系なのに優しい人だったな。 福富くんが憧れるのもわかる。 東はそう思った。 その横で、なにも言われなかった海老原と言う男が不服そうにしていた。 「久しぶりだな、海老原」 「福よぉ、なんでおまえ和久井部長とあんなに仲良いわけ?」 不満げに言う海老原。 福富は、特に気にせずに言う。 「昔、鳥居さんとの関係もあって、よくしてもらっていたからな。それより相変わらずだな。千草さんが冷たいのもわかる」 「同期に酷い言い草だな。おまえ……昔は面白い奴だったのによぉ。はぁ、おれに優しいのはミドちゃんくらいなもんだよ」 「ミドちゃんって、もしかして緑川さんの事ですか!?」 東が反応した。 「あん? おい福。誰これ?」 「うちの新人だ。本社を見せておきたくてな」 「使えんのかこんなの? まぁ、おまえのとこは変人ばっかだからな。しかもあの人数でよく仕事回せるよ」 「おまえの方は忙しいか?」 ふたりが話していると、そこに気の抜けた明るい声が聞こえてきた。 「やっほ~みんなぁ~」 「緑川くん、久しぶり」 福富が挨拶すると、海老原が愚痴を言い出す。     
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