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「えっ!?」
「本は読んでいるのかと聞いてるんだ」
驚いているおれに、話を続ける福富くん。
おれは戸惑いながらも言葉を返す。
「いや、最近まであっちにいたし……って福富くん本読むの?前はバカにしてなかったっけ?」
「お前の影響で読むようになった。そうか読んでないのか……今の仕事はたしか……菓子工場だったな?忙しいのか?」
そう答えた福富くんは、なぜかおれの現状を把握していた。
どうしてそんな事を知っているのかを、おれはは聞く。
「なんで知ってんの?鳥居さんに聞いたの?」
「社長の部屋に盗聴器をつけていたから、お前と社長の会話は全部知ってるよ」
「えぇ!?」
なぜそんな事を……と理解に苦しんでいたら福富くんは話し出す。
「副会長と海外へいって、それで大立ち回りしてたんだろ。すごいよなお前。あっちで仲間もできたみたいだな」
「大立ち回りは誤解してるけど。仲間というか家族というか……いろんな国の人もいてすごく仲良くなったんだ。それより福富くんは……」
「年齢も性別も、生まれた国もちがう人間と家族か……。その連中に、どんな心地よい思想を吹き込んだんだ?」
彼はこちらの言葉を遮って聞いてきた。
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