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草薙が千草をからかいながら聞く。
こう見るとふたりの仲は、かなり良さそうだ。
「優一くんに頼まれて調べていた事を報告にね。彼は帰ってないの?」
「あぁ、たぶん直帰だろ? ミドと海老とメシにでもいってんじゃねぇかな」
「荒川さん、ミド×エビですって!!」
真奈美が身を乗り出して言った。
その表情はとても嬉しそうだ。
荒川は嫌そうに言う。
「腐るな真奈美……。千草さん、別にこっちに来る必要はなかったんじゃねぇの? 電話かメールでいいだろ」
「あら冷たいなぁ、靖子やみんなに会いたかったのよ」
へっ、と荒川があからさまな悪態をつく。
「荒川さん酷いです!! あたしはねえさん会えて嬉しいですよ」
真奈美がそう言うと、千草は笑顔でをそれ返した。
「で、福の頼みってのは?」
草薙が話を戻すように聞いた。
千草は、不安げな顔で話し出す。
「都内の港にある倉庫で、暴力団や半グレ連中に関係がありそうなものを探してくれって頼みなんだけど……福富くん、揉めてるの?」
「あんたには関係ねぇよ」
草薙はそれを見て、荒川も最近は丸くなったのにな。と、ため息をついた。
草薙は思う。
……千草もわかってんだろうによ、ふたりが会えばこうなることが……。
なんで来ちゃうかね。
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