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睾丸摘出の技術なら、そこら辺の医者のレベルと変わらないんじゃないだろうか。
ターゲットの、命乞いという名の謝罪がピークになる。
ここでだいたい客からストップが入る。
「……もういいです。もう終わりに……」
客は代金を払い、ターゲットは謝罪をし続ける。
仕事は終了。
客はフラフラと不安定に立ち去り、ターゲットは安心した顔をして「もうしません。今後は人のために生きます」と泣きながら話し出す。
そこでおれは言う。
「おまえは生きて帰れない」
後処理が一番面倒だ。
大抵の場合は桐野の親父が人を回してくれるが、ひとりの時は時間がかかる。
横で七瀬が笑みを浮かべ言う。
「すごいの見ちゃった!!! 六車くんすごいね」
……この女は完全にイカれてる。
七瀬彩もおれと同じ怪物だ。
しかし八尋が見たら、この女も人間らしいと言うのだろうか……。
様々な価値観を持っている彼から教えてもらいたい。
本当におれは怪物じゃないのかを……。
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