第9話 怪物

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睾丸摘出の技術なら、そこら辺の医者のレベルと変わらないんじゃないだろうか。 ターゲットの、命乞いという名の謝罪がピークになる。 ここでだいたい客からストップが入る。 「……もういいです。もう終わりに……」 客は代金を払い、ターゲットは謝罪をし続ける。 仕事は終了。 客はフラフラと不安定に立ち去り、ターゲットは安心した顔をして「もうしません。今後は人のために生きます」と泣きながら話し出す。 そこでおれは言う。 「おまえは生きて帰れない」 後処理が一番面倒だ。 大抵の場合は桐野の親父が人を回してくれるが、ひとりの時は時間がかかる。 横で七瀬が笑みを浮かべ言う。 「すごいの見ちゃった!!! 六車くんすごいね」 ……この女は完全にイカれてる。 七瀬彩もおれと同じ怪物だ。 しかし八尋が見たら、この女も人間らしいと言うのだろうか……。 様々な価値観を持っている彼から教えてもらいたい。 本当におれは怪物じゃないのかを……。
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