第10話 敗北後

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一体誰が? あれはおれと福富しか知らないはず……。 福富か、福富しかいない。 ちくしょうぉぉぉ、あの野郎、必ず殺す殺してやる。 桐野は席から立ちあがると、七瀬に言う。 「彩、六車に電話しろ」 「えっ!?」 「ヤクザがよぉ。そんな噂立てられて生きていけるか!!! リングに来るように言え、おれは先にいってる」 「ちょっとぉ~拓ちゃん!?」 桐野は周りのテーブルやイスを蹴り飛ばして出ていった。 七瀬は早速電話する。 「あっ! 九能さん。うんうん、そんな感じ」 七瀬は、六車ではなく九能に連絡していた。
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