第1章

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でも、それだったら、俺を首にした会社や、真冬に俺をアパートから追い出した大家も罪に問われるべきじゃないのか。 真冬に行き場を無くした弱者に手を差し伸べない、国や自治体も罪に問われるべきだろう。 俺だけが罪に問われるなんておかしいじゃないか。 火葬場のような構造の焼却炉に、筋弛緩剤を注射されて放り込まれた。 扉が閉められ、バーナーに火が点けられる。 熱いーーーー! 助けてくれーーーー! おかしいだろ! 俺が放火した事により死んだ奴らは皆、一酸化炭素中毒で亡くなったって聞いているぞ。 俺も一酸化炭素中毒で殺せ! 熱いよーーーー! 死ぬまでどれほどかかるんだよーーーー! ギャァァァァァァーーーーーー……………… 焼却炉の中が見えるように耐熱ガラスで出来た窓の外側では、放火によって亡くなった人達の遺族の内の希望者が、死刑囚が焼却炉の中で火に炙られ、のた打ち回りながら死んでいく様子を眺めていた。
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