街灯の下で...。

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 この調子だと明日も大変そう...。 春香は夜の雪道を歩いていた。  温暖なこの地域では少しでも雪が積もると、交通網は混乱する。ましてや、今日のように10センチ以上の積雪となると近くの高速道路は閉鎖され、そのあおりを受けて国道は大渋滞。会社から自宅までは車で15分の距離だが、自宅まであと数分の所で渋滞に巻き込まれ、1時間近く経っても前へ進まない。 春香は車で帰ることをあきらめ、道路沿いのつぶれたスーパーの駐車場に車を置き、雪の中を自宅まで歩くことにした。  春香の住んでいる所はドがつく程田舎で、極端に街灯が少ない。道沿いに建つ家の明かりを頼りに、雪に足をとられない様に気をつけながら進んでいく。普段歩くことがないせいか、徐々に息が上がってきた。これから先は家まで坂道が続く。  あの街灯に着いたら、少し休もう...。 なんとか街灯の下まで辿り着き、携帯で時間を確認しようとした瞬間、春香は不思議な感覚に包まれた。  あれっ?なんか宙に浮いてる気がする...。 実際は浮いているのではなく、春香は下に向かって落ちていた。頭の遥か上の方で、街灯の明かりが消え去っていった。続いて子供時代の思い出が、まるで映画のようにフラッシュバックしていく。     もしかして、私死ぬのかな?  いつの間にか、春香は暗闇の中に立っていた。 漆黒の闇。自分の呼吸する音以外、何も聞こえない。  私、今どこにいるんだろう? 必死で何かを見つけようと春香が目を凝らしていると、遠くで微かに明かりが見えた。暗闇の中に留まるよりは明かりのある所の方が安全だろうと、春香はその明かりを目指して歩き始める。  近づくにつれ、それが球体であることがわかった。内側から強い光を発しているせいで、中の様子はわからない。しかし、春香はなぜか懐かしい気持ちになり、その球体に触れてみたくなった。恐る恐る右手を伸ばし、それに触れた瞬間、春香は球体に取り込まれた。
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