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「ほぉんとに可愛いわね。貴女、うちの子になる?」
「うん☆」
そんな養子縁組が各地の譲渡会で散見された。今や子育ては、子供を育てる行為から夫婦、ないしは家族の人間性を高める意義となった。
アリスは女性の強みをフル活用して、ある細工を施した。精巧少女の振る舞いに母性本能を刺激する挙動を紛れ込ませた。
それは脳内麻薬の過剰分泌を促し、育児中毒という依存症を誘発させた。
それは精巧少女の普及のみならず、出生率を爆上げした。精巧少女が生身の兄弟姉妹を欲しがったからだ。消費も拡大に転じた。
やがて、地球は手狭になり、人類は星の海へ漕ぎだした。
アリス・ハイマンは現代の聖母と讃えられる、かと思われたのだが……
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