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なんとなく飲み会はお開きとなり、片付けを手伝うと申し出てくれた穂積の言葉も辞退した綿貫は1人手を動かしながら考えていた。
「恋って、なんなんだろうな…」
思わず口に出ていた。答えなんて出ないと分かっていたが、それでも綿貫は考えてしまう。
恋というものがなければ、自らの人生も狂わなかったのではないかと。
世の中の恋物語は言う。
恋は何もかもを変えると。
その変化がいいものだけなら構わない。
恋によって何もかもが悪くなるかもしれないのに、それでも恋は存在する。
人は言う。
恋は『おちる』ものだと。
落ちる、堕ちる…どちらにせよ、抗いようのないものなのかもしれない。
だとしたら、綿貫の穂積に対するこの気持ちはなんなのか。
答えが出ないまま、夜は更けてゆく。
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