3人が本棚に入れています
本棚に追加
拒まれはしなかった。
それでも、心の中には入れなかった。
穂積は帰り道でそんなことを考えていた。
綿貫は人を受け容れる最大ラインを決めているようだった。ここまでは受け容れるけど、これ以上は入れないように。
「恋はおちるもの、か。」
自嘲するように、笑う。
恋をしたくないと望む彼に恋をしてしまった自分を。
彼の幸せを願いたいのに、自分も幸せになりたい。
そう願ってしまう、穂積自身を。
恋をしながら幸せになることは、できないのか。
答えが出ないまま、歩いてゆく。
最初のコメントを投稿しよう!