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自宅という安心できる環境と、相手が穂積という信用に足る存在であることから、綿貫も安心して酒を飲むことができた。 「そういえば、怜はどうして恋をしないって言ってたのか…聞いてもいい?」 普段ならばその質問が出るとすぐに拒絶の態度を示す綿貫だが、普段よりも酔っており、また聞いたのが心を許している穂積であったことから、ぽつりぽつりと話しはじめた。 昔、彼女がいた。何事もなく1年ほど付き合っていたが、ふとした瞬間に自分は彼女を本当に好きなのかわからなくなってしまった。 彼女に対する嫌悪感は全くなく、ただ好きなのかどうかだけがわからなくなったために困惑し、疲れきっていた。 精神的に追い詰められた綿貫は、最悪の選択をした。
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