とある雪の夜の事

2/8

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
「うわぁ…また凄い喩え方するねぇ」 「でも、そんな感じでしょう?」 「ま、確かにね」  二人はクスクスと笑うと、クロは更に言葉を続けます。 「…でもね、カラスの仕事は死神のそれとは少し異なっていた。  死神は魂を楽園…天国みたいな場所に運ぶんだけれど…カラス達悪魔は違う。その場で魂を消滅させてしまうんだ。  消滅した魂はカラスのような悪魔の中にエネルギーとして取り込まれ、悪魔が生きる為の糧にされる。  …取り込まれた魂は二度と輪廻の輪の中に戻る事が出来ない…生まれ変わる事が出来ないんだ」 「…説明するクロ、なんかかっこいい」 「ねぇ僕の話ちゃんと聞いてくれてる?」 「大丈夫、ちゃんと聞いてるから。  …何よ、私出会った時からクロの事好きだよ?」 「あっ…う、うん…」  クスクスと笑いながらそう告白するシロに対して、青白い顔をほんのり赤くしながらクロは目を逸らします。  その様子を見たシロは、嬉しそうに笑みを浮かべました。 「え、えと、それでね?カラスはある時、一人の人間を狙った。  カラスは悪魔の中でもとっても優秀だったし、その人は魔を払う特別な力を持ってた訳じゃなかったから、その時もいつも通りにやればすぐに終わると思ったんだ。     
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加