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「…うん。好きだよ」
クロは答えます。
クロの気持ちを。
クロの、本当の想いを。
「本当に好きだ。大好きだ。愛している。
…何もかもを捧げても良いと思える程に」
「…ありがと、クロ」
「…ごめんなさい。ごめんなさい。
僕は、僕は…!」
「言わなくても大丈夫だよ、クロ」
シロの声に、クロはシロを見ました。
シロは、微笑んでしました。
幾筋も涙を流しながら。
それでもシロは、微笑んでいました。
「でも…っ!」
「こんな体になったのはクロの所為じゃないし、どうせ明日には死んでいるかも分からない体だし」
「っそんな事!」
「私の体の事は私が一番良く知ってるんだよ?
もう私は長くない…ううん、本当ならもう死んでる筈だったんだと思う。
…きっとクロに出会えたから、今まで生きる事が出来たんだね」
「それは違う…違うよ!
シロが本当に頑張ったからっ!だから今まで生きて来れたんだっ!
僕は所詮悪魔…人間の命を奪うだけの、最悪の存在なんだっ!」
俯きそう声を荒げるクロの手に、シロは手を伸ばし、そっと触れました。
あまりにも細い…触れれば折れてしまいそうな程細い腕と指。
…けれどそこには、確かに体温が、温もりがありました。
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