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「ガキが調子にのってんじゃねーよ!!」
そう聞こえた瞬間に、僕は意識を失った。
「いててて……」
身体中の激しい痛みで目が覚めた。
痛みでガンガンしている頭を押さえながら、ゆっくりと周りを見渡してみる。
どうやら僕は、家の近所の駐車場で倒れていたようだ。
「そっか、あいつら…ムカつく…」
思い出した。
僕はケンカをしたのだ。
人生で始めてのケンカだった。
と言っても、僕は何も考えずに相手に突っ込んで行っただけで、あっさりと かわされたあげくに一方的にボコボコにされただけなんだけど。
ケンカになった理由は中学生くらいの時にはよくある話で、2人組に『なにガンつけてんねん!』と因縁をつけられたことだった。
もちろん僕は、そいつらのことなんて見ていなかったし、ただの言い掛かりだ。
でも相手は問答無用で僕の腕を掴んで嫌がる僕を無理矢理に、この駐車場へと連れてきた。
この時の僕はまだ 12歳。
中学校入学式の 4日前の出来事だった。
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