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今はなんか違う感じがする。
ちゃんと考えとくからって蓮太朗は言った。
蓮太朗が考えているあいだわたしはどうすればいいんだろう。
道が暗くなってきて、蓮太朗に送ってもらえば良かったって後悔した。
蓮太朗が告白してきた時のことを思い出しながら帰った。すごく昔のように感じるけど、たった3ヶ月しか経っていなかった。
ママはなんでわたしを生んだの?ってその夜訊いてみた。
ママはテーブルを拭いていた手を止めて優しい顔で言う。
「欲しいと思ったからってみんなが手に入れられるものじゃないのよ命って。理由なんてない、生みたいって気持ちしかなかったから」
「そうなんだ」ってわたしは答えた。ママがこっちを見てた。それがわたしの喜ぶ答えだと思っている顔だった。
自分でもびっくりするくらいその言葉がわたしの心に響かなかったから、ママに申し訳なくなって「ありがとう」と言ってわたしは自分の部屋に入った。それで、ベッドで布団にくるまって「死にたい」「死にたい」って何度も繰り返し言った。言っているうちに本当に死にたいような気がしてきた。
学校へ行って蓮太朗に会っても、話しかけないようにした。
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