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目の前には、雪だるまが解けてやっと見えた手があった。
それは去年の暮れから行方不明になっていた少女の遺体のようだ。
「何故あの時気付かなかったんだろう?」
彼女は全身を震わせて泣いていた。
「そうよ。この辺りも捜索したのに……」
皆、周りを取り囲んで泣いていた。
「私は彼女を見たの。丁度お風呂に入った頃に。まだそんなに積もってない時期だったから、雪掻きしているのかと思っていた」
「そう言えば誰が雪掻きしていたわね。もしかしたらそれがこの子だったのかな?」
「でも、これ雪だるまよ」
「雪掻きに飽きて雪だるまを作ったのかも知れないわ。きっとそうよ」
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