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映画を見ると決めたのはいいものの、実際、見たいと思える映画がお互いになく、適当なアクションものを見ることにした。
アクションなんて、見たことのなかった私は上映中、画面の動きの激しさにずっと内心驚いていた。
「面白かったな」
上映が終わり、辺りが明るくなると輝がそうつぶやく。
意味も分からず、内容も全く理解していない私は、軽く頷いた。
「愛海の表情が、変わり過ぎて面白かった」
「えっ?」
「映画の内容は、よくわかんなかったけど、愛海の表情の変わり方がなんともいえなかった」
思い出したかのように笑いだす輝。
「驚いたり、笑ったり、ほんとコロコロ変わる愛海の表情が面白かった」
「それっていい意味?それとも悪い意味?」
「はぁ?そんなの自分で考えろ」
そういうと、輝はおなかを抱えるようにまだ笑っている。
私は何が面白いのかよくわからなかったけど、とりあえず輝に合わせて笑っておいた。
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