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そして、ほんの数秒の沈黙の後。
「良かったー」
そう叫び、大きくため息をついた。
「え?」
「いや…なんか、計画もとくになかったし、楽しくなかったかなって」
「そんなことないよ?普通に楽しかったよ」
「マジ?」
「うん」
話してると、時も過ぎて辺りは暗くなっていた。
他愛無い話が、また居心地の良さを感じた。
「愛海は、好きな人とかいるの?」
輝は真剣な眼差しで私を見つめる。
「えっ?」
輝の言葉に鼓動が早くなる。
「好きな人は、いないかな?」
何故か疑問系な回答をしてしまった。
「じゃあ、彼氏は?」
「いないよ」
変わらず真剣な眼差しの輝。
少し薄暗くなり、静けさが漂う辺り。
「じゃあさ、俺と付き合ってよ」
一瞬、全ての時が止まった気がした。
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