出会い

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輝に手を引かれて来たのは、小さなカフェだった。 席に着くと、カフェオレとブラックコーヒーを注文する。 どちらとも、話を切り出さない。 店内に響く、洋楽の音がリズムよく耳に入ってくる。 「泣き止んだ?」 先に沈黙を破ったのは輝だった。 反射的に顔を上げると、輝は笑っていた。 その笑顔に少し安心する。 「…うん」 「そっか」 会話が続かない。 注文したカフェオレとコーヒーを店員さんが運んできてくれた。 ガムシロップを入れたカフェオレは甘くて、でも少しほろ苦かった。 ストローで氷をかき混ぜていると、輝が言った。 「愛海は俺のこと嫌い?」 突然の輝の言葉に、小さく首を振り否定する。 そうじゃない。そうじゃないんだよ…? むしろ好きだよ。でも、私はあなたと両想いになる資格はないの…。 「じゃあ、何で泣くの?」 理由を言ったら、きっとあなたも私を嫌いになる。 もう、好きだとか、付き合ってなんて言ってもらえない。
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